認知行動療法
状況がはっきりとわからない状態では、良くないことが起こるかもしれないと考えて気分が不安になります。
危険性がない、自分で対処可能だ、とわかると不安が解消します。
つまり、「今の状況を、どのようにとらえて考えるか」で気分が違い、行動も違ってきます。
考え方を柔軟にして気分を軽くする、ストレスを軽くしていく治療法です。
また「認知*が今の状況とどれだけ違うのか」気分(感情)は、認知の仕方や行動によって変わると考えられます。
認知の修正をしていく治療法です。
※認知とは、現実(出来事)の受け取り方や物の見方
うつ病(うつ状態)や不安障害などの気分(感情)障害にあきらかな治療効果が認められています。
厚生労働省認知行動療法をご覧ください。
現実をありのままうけとめることができない
私たちは、色々な出来事(状況)を自分なりの解釈(思い込み)で見ています。【主観的】
そのために、実際おこっていること(出来事)との間にずれが生じています。
心が安定している状態とは
私たちの 思考(考え)、気分(感情)、行動 は 出来事 と相互に影響しあっています。
思考、気分、行動がその時々の出来事に即して調和がとれている状態です。
思考や行動は、これまでの生活の中(環境)で経験や学習によって習慣化されています。
この習慣化されてきた思考のことを 自動思考(瞬間的に浮かぶ考え)といいます。
出来事で引き起こされたポジティブやネガティブな自動思考が行動を支配したりします。
【 出来事 ⇒ 思考(認知)⇒ 気分 ⇔ 行動 】
出来事をネガティブに受けとめる自動思考のことを 認知の偏り(認知のアンバランス)といい、
認知の偏りにはパターンがあり、それを思考の癖といいます。
思考の癖を修正する必要があります。
主な思考の癖には、深読み・べき思考・思い込み・白黒思考・自己批判 などがあります。
認知行動療法の技法
特に、認知の偏り(認知のアンバランス)に焦点を当て操作をします。
現実をありのままうけとめることができない状態から、現実の出来事に対して柔軟な考え方をとれるように、
現実の出来事とそれに対する自分の思考、気分を冷静にとらえ直して見つめなおします。
まず、現実の出来事と思考、気分を明確に分けます。
< 主要な技法>
・認知再構成法…七(五)つのコラム バランスの取れたしなやかな思考法を身につける
・活動記録表…自分の生活スタイル
書き込んだ活動のうち、とくに達成感や楽しみを感じた活動を知る
・問題解決法…自分の課題を明確化 問題を絞り込んで解決策を探る
・漸進的筋弛緩法…心と身体の緊張をほぐす
不安が強くなった時や気持ちが沈み込んだ 時にも
・アサーション…自分の気持ちや考えを伝える 対人関係、人間関係を楽にする
・スキーマ*療法…後ろ向きなスキーマ ストレスに対してしなやかに対処
※スキーマとは、心の法則